【読んでみた】シリーズ プロローグ

2020-05-03

これから始まる【読んでみた】シリーズの紹介記事です。

【読んでみた】シリーズとは?

【読んでみた】シリーズでは、数学が好きな高校生である私Fが、今までに読んだ本(主に数学書)の感想・解説を書いていきます。

しかしながら、私もまだまだ記事執筆・数学初心者です。

自分自身の文章力や数学力のレベルアップも兼ねて、記事作成を頑張ります。

わかりにくい表現・用語などがあれば、指摘してもらえると嬉しいです。

今後ともよろしくお願いいたしますm(__)m

本の紹介

現在執筆中の記事は、

  • 加藤和也著『数論への招待』
  • 吉田信夫著『具体例で親しむ高校数学からの極限的数論入門』
  • テレンス・タオ著『数学オリンピックチャンピオンの美しい解き方』
  • 長岡亮介著『東大の数学入試問題を楽しむ』 

 の四冊です。それぞれの本について簡単に説明します。

『数論への招待』

一つ目の『数論への招待』は、月刊雑誌『数学セミナー 』で2年半にわたって連載された記事を、一冊の本としてまとめ上げたものです。

三角形と素数の「神秘的」なつながりから、現代数学の一大テーマである「p進数」の世界へと誘う、素敵な本です。

独特な表現や語り口が癖になります。高校生でも楽しく読めます。

また、著者の加藤和也さんは数学の分野の一つである「整数論」の世界的権威でもあります。

p進数の世界は、昼間の星のように、めだたない見えにくいものです。けれども本当はこの宇宙は、そういう見えにくいもので支えられているのでしょう。

加藤和也著「数論への招待 第2章 実数とp進数」より引用

『具体例で親しむ高校数学からの極限的数論入門』

二つ目の『極限的数論入門』は、関西を中心に勢力を拡大している予備校「研伸館」の現役講師である著者が、高校生にもわかりやすく、無限和や無限積、面白い性質を持つ数たちについて説明しています。

タイトルに含まれる「具体例で親しむ高校数学からの」からもわかるように、手を動かし具体例を確かめながら読むと、より楽しめる本です。高校生でも気軽に読めます。

深く考えれば、どんな数学も楽しいものです。いろいろな具体例を考えていくことで、どんどん理解が深まるものです。そして親近感がわいてくるはずです。

吉田信夫著「極限的数論入門 まえがき」より引用

『数学オリンピックチャンピオンの美しい解き方』

三つ目の『数学オリンピックチャンピオンの美しい解き方』は、あらゆる物事に通じる「問題解決の方法」を学べる良書です。

数学オリンピックを目指している人はもちろん、美しい数学に触れたい人にはお勧めです。

また、著者のテレンス・タオ氏は、国際数学オリンピック金メダリストに12歳の若さで輝きました。その才能衰えることなく、2006年には数学界のノーベル賞と呼ばれる「フィールズ賞」を受賞しました。天才すぎます…

(実はこの本は、テレンス・タオ氏が15歳の時に書いたものなんです…ひえぇ…)

古代ギリシアの哲学者プロクロスはこう言った。

「これが、ゆえに、数学なのである。数学は、目に見えない魂の形を思い出させる。数学は自分自身の発見物に生命を吹き込む。数学は私たちの心を目ざめさせ、知性を浄化する。数学は私たちの本来の考えを明るみに出す。数学は生まれながらの私たちの忘却と無知の状態に終止符を打つ。」

しかし私が数学を好きなのはただそれが面白いからである。

テレンス・タオ著「数学オリンピックチャンピオンの美しい解き方 初版へのまえがき」より引用

『東大の数学入試問題を楽しむ』

四つ目の『東大の数学入試問題を楽しむ』は、日本が誇る「東京大学」が今までに出題してきた数学入試問題を、著者が自分自身の思想や所感を絡めて紹介・解説している本です。

過去・現在・未来の情勢を、著者がユニークな切り口語り口で論じているので、数学が苦手な人にとっても、ひとつの完成された「エッセイ(もしくは評論)」として十二分に楽しく読めます。

著者である長岡亮介氏は、趣味に『数学教育』を挙げるほどの教育熱心な人で、数学の本質(社会の本質?)を伝えようとする一貫した姿勢は、本文中にも随所に表れています。

 実は、今日、「理系 vs. 文系」という分類自身が、すでに古くさい。

(中略)

今日のような複雑化した社会の中で、新領域を開拓していくためには、干涸びた類型にとらわれない自由な発想と、その発想を支える幅広い教養が必須である。他人と同じ発想をし、同じ規範で行動する、要するに、世間と時代に阿る態度では、到底、現代の困難を打開することはできるはずがない。

長岡亮介著「東大の数学入試問題を楽しむ 第9話 理系 vs. 文系?!」より引用

筆者は、次世代を担う青年には、自分の人生はもちろん、社会の未来を切り拓く心構えと責任感をもってほしいと願う。

(中略)

「大の大人たち」すら「子供扱い」するこの国では、若者に対しては、もっとひどい子供扱いが罷り通っていることにも気づいてほしい。

長岡亮介著「東大の数学入試問題を楽しむ 第29話 大人扱いの苦手な近年の日本」より引用

今回は「簡単な紹介」なので、専門用語などの説明は省きました。

詳しい解説などは、次回以降の【読んでみた】シリーズでおこないますので、ご期待ください。お楽しみに…

最後までご覧いただきありがとうございました。

次回の記事もお楽しみに!